食物繊維とは、植物の細胞壁の成分で、人の消化酵素で分解されない、つまり消化できない多糖類をいいます。つまり消化されない食物成分のことです。

syokubutu_seniつい最近まで、食物繊維は、栄養成分やエネルギーを人にあたえないので栄養学的に無用の物と考えられていました。しかし外国における疫学調査の研究結果から、食物繊維を多量にふくむ食事をとっている地域では、大腸ガンが少ないことなどがはやい時期からわかっていました。

また、最近の厚生労働省の研究班によると、ホルモン分泌を狂わすといわれるダイオキシンを、食物繊維が吸収し、体外へ排泄することが分かりました。

 植物繊維の役割を書いておきます。マイクロソフト「エンカルタ百科事典」からの要約です。

 「食物繊維をたくさんにふくむ食物をとると、食物が腸の管を通過する時間がはやくなるため、有害物質が腸の管から吸収されるのをさまたげます。繊維は腸の管の壁をきれいに掃除し、便秘の予防にもなります。日本には昔から、米、穀物、野菜、イモなど繊維の多い素材を調理する食文化があり、自然のうちに繊維を多く取っていたのです。最近は、油や精製度の高い糖、アルコールなど繊維の少ない食品をとって、そこからエネルギーをとる傾向が高くなりました。これらを含む加工食品の消費量の増加と、腸ガンの増加に関係が見られるといわれています」。  

要は、食物繊維は腸の中で、ゴミを取っていく掃除器の仕事をするのです。ですから、食物繊維の働きがなくなると便秘がおこりやすくなり、腸内の有害物質を排除することも出来なくなります。  

ところが、最近では、ゴボウやニンジン嫌いの若者が増え、ご飯も精白したものを食べるので、食物繊維の摂取量がどんどん減っています。これが結局は、食物の吸収スピードを速め、肥満者を作りあげていくのです。

食物繊維についての厚生労働省の指針は、1日20グラムとなっていますが、いまの国民の摂取量は15グラム程度です。明治時代は約30グラムくらいとっていたと思われます。ですから、昔の食事に帰る−和食を多く取れば、いくらかは問題は解決されそうです。せめて1日1回の和食をとることように生活習慣を改めてみたらどうでしょう。

栄養素についての話をしながら、いま、私どもが何かとお世話になっている、お医者さんと、医学のことについても触れてきました。

これらのお医者さんは、みな、いわゆる「西洋医学」を学んできた人たちです。医学といってきたのは、「西洋医学」のことです。「西洋医学」を学んだ人たちが、栄養にあまり関心がないのならば、もう一つの医学である「東洋医学」は、いったいどうなのでしょう。

次は、東洋医学を紹介しながら、西洋医学との違いに触れていきたいと思います