第2章 栄養素の基礎知識

2-7. 栄養素の基礎知識その4 食物繊維  

食物繊維とは、植物の細胞壁の成分で、人の消化酵素で分解されない、つまり消化できない多糖類をいいます。つまり消化されない食物成分のことです。

syokubutu_seniつい最近まで、食物繊維は、栄養成分やエネルギーを人にあたえないので栄養学的に無用の物と考えられていました。しかし外国における疫学調査の研究結果から、食物繊維を多量にふくむ食事をとっている地域では、大腸ガンが少ないことなどがはやい時期からわかっていました。

また、最近の厚生労働省の研究班によると、ホルモン分泌を狂わすといわれるダイオキシンを、食物繊維が吸収し、体外へ排泄することが分かりました。

 植物繊維の役割を書いておきます。マイクロソフト「エンカルタ百科事典」からの要約です。

 「食物繊維をたくさんにふくむ食物をとると、食物が腸の管を通過する時間がはやくなるため、有害物質が腸の管から吸収されるのをさまたげます。繊維は腸の管の壁をきれいに掃除し、便秘の予防にもなります。日本には昔から、米、穀物、野菜、イモなど繊維の多い素材を調理する食文化があり、自然のうちに繊維を多く取っていたのです。最近は、油や精製度の高い糖、アルコールなど繊維の少ない食品をとって、そこからエネルギーをとる傾向が高くなりました。これらを含む加工食品の消費量の増加と、腸ガンの増加に関係が見られるといわれています」。  

要は、食物繊維は腸の中で、ゴミを取っていく掃除器の仕事をするのです。ですから、食物繊維の働きがなくなると便秘がおこりやすくなり、腸内の有害物質を排除することも出来なくなります。  

ところが、最近では、ゴボウやニンジン嫌いの若者が増え、ご飯も精白したものを食べるので、食物繊維の摂取量がどんどん減っています。これが結局は、食物の吸収スピードを速め、肥満者を作りあげていくのです。

食物繊維についての厚生労働省の指針は、1日20グラムとなっていますが、いまの国民の摂取量は15グラム程度です。明治時代は約30グラムくらいとっていたと思われます。ですから、昔の食事に帰る−和食を多く取れば、いくらかは問題は解決されそうです。せめて1日1回の和食をとることように生活習慣を改めてみたらどうでしょう。

栄養素についての話をしながら、いま、私どもが何かとお世話になっている、お医者さんと、医学のことについても触れてきました。

これらのお医者さんは、みな、いわゆる「西洋医学」を学んできた人たちです。医学といってきたのは、「西洋医学」のことです。「西洋医学」を学んだ人たちが、栄養にあまり関心がないのならば、もう一つの医学である「東洋医学」は、いったいどうなのでしょう。

次は、東洋医学を紹介しながら、西洋医学との違いに触れていきたいと思います

2-6. 栄養素の基礎知識その3 ミネラル  

人間を始め、生命を持たない物体を含めて、この世のすべてのものをどんどん分解していくと、最終的には原子になります。

mineral原子とは、酸素、水素、炭素、窒素、硫黄、リンなどの元素の最小単位です。元素は組み合わされて分子になることで体内で利用されます。ビタミンはこの多くの元素が組み合わさって出来た成分です。ミネラルはこの元素そのもののことをいいます。

「ビタミン・バイブル」という本で有名なアール・ミンデルがその本の中で「ビタミンはたしかに重要なものだが、ミネラルなしでは何の働きもしない。ミネラルこそが栄養素の世界のシンデレラなのである」と書き、その重要性を力説しています。

ミネラルは「微量金属元素」といわれ、その量が非常に少ないのですが、私たちの健康にとっては非常に大事な元素なのです。  私たちの身体は、酸素、炭素、窒素、水素の4つの元素で全体の96%を占めています。タンパク質、脂肪、糖分、ビタミンもこの4つの元素から出来ています。ミネラルは残りの4%なのです。

この4%の中の、90%を多量ミネラル(マクロミネラル)が占めており、残り10%を微量ミネラル(トレースミネラル)が占めます。  多量ミネラルには、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウムの7つがあります。このうちカルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウムの4つは、生命現象が海の中で生まれた名残りです。  

微量ミネラルには、代表的なものに、亜鉛、マンガン、クロム、銅、鉄、モリブデン、セレン、ヨウ素などがあります。これらは1日の必要量が約50mgから数百mcgと極微量のミネラルです。

ミネラルはビタミンと違い、「足し算栄養素」ではありません。「足し算栄養素」とは、壊血病にはビタミンC、くる病にはビタミンDと単純にそれだけをとれば、効用が現れるといった、不足しているビタミンを加算していく方法を仮にそう名付けました(「現代栄養学」ホームページ荒川善治氏)。

しかし、カルシウムの場合、マグネシウムやリンとの摂取バランスが崩れると十分に効果がでません。  ですから、「カルシウムを含んでいる食べ物をとっていれば、カルシウムは吸収される」と単純には云えないのです。他のミネラルとのバランスを十分に考えねばなりません。  

また、タンパク質が不足しているとミネラルは吸収されにくくなりますので、良質のタンパク質と一緒にとることが必要です。  日本の栄養学では、いままで、カルシウムが重要視されており、子供の頃から牛乳を飲まされてきた記憶をお持ちと思います。

ところが、先にも書いたように他のミネラルとのバランスが大事で、マグネシウムをとらないでカルシウムばかりとると異常が起こる可能性があるのです。ですから、多量のカルシウムを含む牛乳の飲み過ぎは危険なのです。将来、肥満、高脂血症、糖尿病になる恐れがあります。

最近、特にマグネシウムの重要性がいわれておりますが、一向に改善されていないようです。マグネシウムの必要量は1日300mgですが、これをとっている人は殆どいません。この量をとらずに運動をすると足にけいれんを起こしたり、筋肉が硬直したりします。

先にも引用させていただいた、山田豊文博士は著書「ビタミン・ミネラル革命」の中で、「多くの日本の運動選手がマグネシウム不足で選手生命を終わらせていきました。彼らがサプリメント−栄養補助食品でこれを補っていれば、事態は変わっていたに違いありません」といって、著名な運動選手の名をあげて、その早い引退を残念がっておられます。

2-5. 栄養素の基礎知識その2  ビタミン     

タンパク質、脂質、炭水化物の3大栄養素だけでは、体内でうまく機能しません。  3大栄養素が、体内でエネルvitamin2ギー源になるときや、筋肉や骨などの身体の成分になるときに、これらの反応を促進する働きをするものが必要です。−これがビタミンです。

私たちが一番親しんでいる栄養素がビタミンです。  

ここで少し、「栄養」に対する一般的な医学の立場からの見方を紹介しておきます。既に、前項で、医学と栄養のことについて、森鴎外や、メリル・ストリーブの話を通して、少し触れています。

これからもお医者さん、或いは医学と栄養の問題が、たびたび出てくると思います。これは、「医学」も「栄養」も健康とは切っても切れない関係にあり、また、いろいろな見方があり論議が絶えないということでもあるからです。

さて、私たちは、常識的には、お医者さんは、栄養について良く知っているだろうと考えます。ところが、医者の教育現場においては栄養というのは第二議的な問題なのです。
 日本の医療の監督機関は厚生労働省ですが、大学に於ける医学教育は文部省の管轄です。文部省は役所の中でももっとも保守的傾向の強いところで、なかなか変革が進みません。

vitamin医療そのものは常に進歩し続け、教育現場でも当然、それに対応した行き方をしなければならないのに、役所間の縄張り意識が強く、対応しきれていません。
 結局、お医者さんは、「栄養」については、殆ど何の知識ももたずに医療現場へと出ていくのです。

アメリカでも状況は同じようで、「ビタミン革命」の著者マイケル・ジャンソン氏は、約25年前、医科大学に身を置く4年間に「栄養」については殆ど教わったことはなかったといっています。  

ジャンソン氏によると、当時のお医者さんの栄養にたいする知識は、自分の秘書と同じ程度で、但し、秘書の体重に変化が現れると、秘書の栄養に対する知識は自分のボスよりもはるかに豊富になる−これはジョークですが、医者の栄養にたいする無関心さを現しています。

これが、結局、サプリメントー栄養補助食品に対する医者の無関心、時には反感につながっていたのです。栄養補助食品はビタミンに関するものが多いのですが、かなり多くの医者が、サプリメントのような余分な栄養素は“高いオシッコ”に過ぎないと主張していました。これはほとんどのビタミンの余分な量は腎臓によって排泄されるからだというのです。

先の「ビタミン革命」の著者、ジャンソン氏は、このような医者の主張に対し、こう云っています。  

「重要なのは、その物質の最終運命ではなくて、身体を通過するときに何をするかであり、尿管を含め、どんなに多くの組織を癒していくか、ということである」。

いま、時代は大きく変わろうとしています。  格式の高い主流の医学雑誌がビタミンについての研究を載せるようになった、驚くべきことだとジャンソン氏はいっています。

更に続けて、「最近の研究では、大量のビタミンとミネラルが膀胱ガンの患者の腫瘍再発を、はっきりと減少させることを示した。これは“泌尿器科学雑誌”に発表された定評ある研究である」と、云っています。

あなたのまわりのお医者さんが、栄養学にも興味を示し、栄養不足を補うのに、栄養補助食品もその手段の一つであるとの理解を示してくれことを希望します。

2-4.栄養素の基礎知識その1 6大栄養素

◆6大栄養素
人の身体の中では合成できないので、食物からとらなければいけない栄養素があります。これを必須栄養素と6eiyoso2いいます。  必須栄養素の中で、私たちが生きていき、成長し、子孫を絶やさないといった毎日の生活活動に必要なエネルギーを供給する栄養素を熱量素といいます。これがいわゆる3大栄養素と云われる次の3つです;
タンパク質 
脂質
炭水化物  

更に、ビタミンミネラル植物繊維を加えて、6大栄養素といわれます。

タンパク質  
エネルギー源で、1gあたり4kcal*の熱を発します。タンパク質はアミノ酸が結合したもので、22種類あります。これら22種類のアミノ酸を組み合わせることで無数のタンパク質を作ることができます。

アミノ酸はホルモンや色素など多くの物質を作る材料ですが、これらのうちで特に重要なアミノ酸が8種類あります。これを必須アミノ酸といいます。

人体は必須アミノ酸を合成できませんので、食物からとりいれなければなりません。

人間の必須アミノ酸はリシン、トリプトファン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トレオニン、メチオニンの8種類です。動物からえられる高タンパク食品やいろいろな植物タンパクを配合した食品の中には、多くの量の必須アミノ酸を含んでいます。

先進国ではタンパク質を過剰にとりすぎており、これが痛風や肥満につながります。不眠や、耳鳴りなどを引き起こしたり、腎臓病や肝臓病にもなりやすくなるので注意が必要です。

6eiyoso1日の必要量は、成人男性65〜100グラム、成人女性55〜85グラムです。  肉、乳製品、卵、豆類、魚類に多く含まれます。

脂質  
1グラムあたり9kcalの熱量を発します。脂肪酸とグリセリンからできており、脂肪酸の種類によって脂質の性質が変わります。  

主な働きとしては、脂溶性ビタミンの吸収を良くしたり、身体の温度を適度に保ったり、臓器を保護したりします。なお、必須脂肪酸の供給源となります。

必須脂肪酸とは:  リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸は人をふくめた動物が体内で合成することのできない脂肪酸なので、食物から摂取する必要があり、必須脂肪酸とよばれています。

リノール酸を多くふくむのは紅花油(サフラワーオイル)、トウモロコシ、ヒマワリ油などです。イワシやサバなど青魚の魚油に多く含まれるものは高度不飽和脂肪酸といい、これをとると心臓疾患の発生を下げるとして注目を浴びています。  

脂質の1日あたりの所要量は成人男性、女性とも、総エネルギー量の25%前後です。参考のため、エネルギー必要量2000kcalの場合、脂質としてとるべき量を計算します−
2000x0.25=500 500÷9≒55.6 約55グラムの脂質を必要とします。  

脂質は、植物性油、動物性油、バター などに含まれます。

炭水化物  
1グラムあたり4kcalの熱を発します。  脳は炭水化物が分解されてできるブドウ糖のみを唯一のエネルギー源とします。筋肉と肝臓にグリコーゲンとして、また、血液中にグルコースとして存在します。  

吸収が早く、効率の良いエネルギー源です。脳の唯一の栄養源で、疲労の回復にも役立ちます。  但し、とりすぎると、タンパク質が不足する恐れがあります。

また、炭水化物の代謝**に必要なビタミンBの必要量が増しますので、これをサプルメントなどで補わないと、ビタミンB欠乏症になるおそれがあります。

1日の必要量は成人男性、女性とも総エネルギー量の60%前後。  含む食品には、ごはん、パン、麺類、いも類があります。

*1カロリーは1気圧下で1グラムの純水の温度をセ氏14.5度から15.5度に高めるのに要する熱量をいいます。記号は calで表します。栄養学では普通には1キロカロリー(1000カロリー)のことをカロリーといいます。栄養価を燃焼熱で表す際に用います。(広辞苑より)

**代謝:生体内である目的に向かって物質が合成分解されたりする科学的な反応過程全体を「代謝」といいます。

2-3. バランスのとれた栄養とは

森鴎外のビタミンの話、メルリ・ストリープの西洋医学と栄養療法の話、どちらもこれからの健康を考えて行く上で、大きな示唆を与えてくれます。    

balance_eiyo皆さんは、バランスのとれた食事をしていれば必要なビタミンはみなとれているから十分だ、ということを聞きませんか? ここでいう、「バランスのとれた食事」とはどういうことでしょう。私のバランスのとれた食事が、あなたのバランスのとれた食事と同じでしょうか?違いますよね。「バランスのとれた食事」とは、人それぞれによって意味が異なるのです。

このように、「バランスのとれた食事」は、その意味がはっきりしているようで実体はっきりしていないのです。  また、人は生活環境も違えば、遺伝体質にも違いがあります。
 AさんとBさんが、同じレベルの活力と耐久力、そして、長生きするために、Aさんはある栄養素をよけい必要としているが、Bさんは必要としていません。

この違いは食事だけで解決することは容易ではないのです。  バランスの問題に加えて、前章でも述べましたが、最近では促成栽培技術の進歩や化学肥料の使用によって、野菜に含まれるビタミンとミネラルが大幅に減ってきています。  

述べてきたような、
・実際にはバランスのとれていない食事の問題
・個々人それぞれが必要とする栄養素の問題
・本来なら含まれているべき栄養素の減少の問題

 これらが私たちの周りを取りまいて、健康を阻害し、人の心までもむしばんで、未成年者の度重なる凶悪犯罪など、今まで日本人が経験しなかったような社会環境を創り上げてしまいました。

balance_eiyo2巨悪犯罪などは、単に栄養学の問題でないかも知れませんが、栄養のかたよりにより、心に欠陥が出来てしまっていることは否定できません。  現代社会において、「バランスのとれた社会生活」をしていくためには、「バランスのとれた栄養」が必要なのだということを、いくらかお分かり頂けたでしょうか。

では、「バランスのとれた栄養」をとるにはどうしたらよいのでしょうか。  人の身体は、生きていくために各機能をはたらかせ、一定の体温をたもつためにエネルギーをつかいます。エネルギーを出すには、カロリーをとることが必要です。  

しかし、それだけでは十分ではありません。40種類あまりあるビタミン・ミネラルの働きが大事なのです。どれが不足しても身体に異常を来たします。  次の項からは、エネルギーを出すために必要な栄養素のお話をしていきましょう。栄養素に対する知識を持つことは、「バランスのとれた栄養」を考える上で、大事な道しるべになってくれることでしょう。

2-2. メルリ・ストリープ主演−「西洋医学と栄養療法」

約2000年前、古代ギリシャにヒポクラテスという医者がいました。医学の祖、医学の父と云われる人です。医学に従事する者の心得として ”First do not harm” (まず、害を与えるな) と説いたことで有名です。

この文句を、そのまま題名にしたアメリカ映画があります。メリル・ストリープ(アカデミー賞2回受賞。マジソン群merileの橋の主演女優)主演、制作の日本語版「誤診」という映画です。

あらすじは次の通りです。  
メルリ・ストリープ扮する母親の、4才になる息子が突然発作を起こし、入院した病院でてんかんではないかとの診断を受けます。そこで薬物中心の治療を受けますがその副作用などが起こり、一向によくなりません。そこで医師が原因を探るため手術をやろうと、両親に同意をもとめますが、後遺症の恐れがあるとして、メリル・ストリープ扮する母親は悩みます。

母親は知人に、手術しなくても治す方法があるという話を聞きます。しかし、詳細が分からないので、その知人の薦めで図書館で調べたところ、断食と食事などの栄養療法で治る方法のあることを知りました。母親は病院に転院を申し出るのですが病院は認めません。

そこで、母親は病院から息子を連れだし、ジョン・ホプキンス大学のフォアマン博士の指導で3ヶ月後に息子の病気を治すことができる、というものです。
 これは実話です。

メルリ・ストリープが感動し多くの人に知らせたくて、自主制作したそうです。  なぜ、治ったのかは詳しく述べるスペースがありませんが、この療法を唱える人たちの考え方を知ればお分かりになると思います。

それは「さまざまな病的な症状の背景には汚染物質や栄養欠乏による代謝異常*がある。その問題を解決しなければ病気を根本的に治すことはできない」というものです。 

身体に異常を来したときには、代謝**のための栄養素を必要とするのです。このようなときに、薬の投与を続けると、ミネラルやビタミンが消耗し、慢性的な代謝異常になるというのです。

こうした症状は栄養素が足りないからで、それに対応する栄養補給が必要であるとしています。  このような主張に対し、栄養療法は科学的でなく、事例報告だけに過ぎないという西洋医学を基本とする医師側の反論があります。

現在の医療の多くは薬物療法と手術にもとづいています。これらはもちろん必要なことです。しかし、「1年間の車の事故より、薬の副作用で死ぬ人の方が多い。それも、医者に指示された薬の場合である」(マイケル・ジャンソン「ビタミン革命」より)という報告もあるのです。  

栄養療法に用いられる、多くの栄養サプリメントは有害物質は殆ど含んでいません。また、潜在的な毒性をもっているものはほんの少しに過ぎません。

たとえばビタミンCはどんなにとってもあなたが飲んでいる水より安全だろう、と上記「ビタミン革命」のジャンソン氏はいっています。 

てんかんに限らず、アレルギー、ガン、心臓病など、現代医療の多くの現場で使われている治療薬は、患者を治すよりもその副作用の害の方が多いといわれています。

栄養療法の必要性を説いている人たちは、くすりに頼らない、患者の身体に安全な医学の研究が必要だと言い続けています。  1996年のニューズウイーク誌に「西洋医学は21世紀に生き残れるか−薬を使わないもう一つの医学」という特集が組まれました。

栄養療法に基本をおき、病気にならない工夫をするのです。既に西欧ではこのような考え方をしている人たちが非常に多くなっています。  

*代謝異常:体内で物質が合成されたり分解されたりする化学的な反応過程が異常をきたすこと。

**代謝:体内の機能を正常に働かせる機能

2-1. 2万7千人を殺した森鴎外

森鴎外は明治の文豪として知られていますが、本来は東大医科出身のお医者さんで軍人です。この文豪に登mori場して頂いて、栄養の話をしてみたいと思います。  

明治時代、軍隊でかっけがはやり多くの人たちが死にました。このとき、ドイツに留学し*、西洋医学を学んだ森鴎外は、かっけの原因は細菌だと考え、その研究に没頭しました。

海軍の軍医で高木兼寛**はイギリスに留学し、実用的な医学−いまでいう衛生学を学んでいたのですが、かっけの原因を、そのころ軍隊で出されていた白米にあると考ました。

そこで白米に不足している栄養を補うため麦飯をだしました。  森鴎外は麦飯なんかでかっけが治るかとせせら笑ったそうですが、後に、日露戦争が始まり、鴎外の属する陸軍はかっけにより2万7千人の死者をだしました。

takagi高木の海軍では麦飯のおかげで3人だったそうです。(山田豊文著「ビタミン・ミネラル革命」)  後、軍隊では最高命令で麦飯を出すようになりました。

かっけの原因は玄米に含まれる糖の部分のB1の不足だと科学的に解明されたのは、昭和になってからのことです。  ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。B1が不足するとかっけの症状が現れます。いまは誰でも知っていますが、脚気を治すには、玄米や麦などを食べれば治ります。これらにはB1が含まれているからです。  

この鴎外の話は、栄養の話、ビタミンの話をするときには良いたとえ話になりますので、森鴎外に悪者になってもらわねばなりません。

いまでしたら、わざわざ麦飯を食べなくても、手軽なビタミン剤−サプリメントがいくらでもありますから、かっけという病気も最近はあまり聞かなくなりました。  

森鴎外の時代に、もしサプリメントがあったとしたら彼はかっけを直すために使ったでしょうか?  使わなかっただろうというのが今の人たちの見方です。
 栄養素によって人の身体を平常に戻すと云うことなど、西洋医学に凝り固まった彼の頭にはなかっただろうというのです。  

なぜ、西洋医学を学んだ人たちは栄養素のことを考えないのでしょう。それは、西洋医学を学んだ人たちは、病気は薬でなければ治らないという固定観念があるのです。  それから100年たっても、まだ森鴎外式の医者がかなりいる様です。  

では、次に100年たった医療現場の話をもう一つしましょう。

*森鴎外の処女作「舞姫」は、このときの留学経験を踏まえた作品です。明治23年に発表されました。

**東京慈恵会医大前身の創立者。明治21年、日本初の医学博士号を受けました

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(参考資料)

森鴎外 (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
高木兼寛 (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

脚気と悪者森鴎外
http://homepage3.nifty.com/ymorita/neta5.htm

森鴎外の仮面、軽蔑すべき文豪の正体
http://homepage3.nifty.com/yoshihito/moriougai.htm

医学書院/週刊医学新聞・「脚気病細菌説」森鴎外
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2001dir/n2436dir/n2436_05.htm

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(以上、漸次作成中)
健康で美しく長生きするために 目次

第1章 毒性・栄養欠乏食品と日本人

1.朝食に「毒物」を口にしていませんか?
2.マーガリンはどうして毒物なの?
3.日本の常識は世界の非常識
4.牛乳を飲んで下痢をしませんか?
5.私たちを取り巻く環境と活性酸素
6.健康の道しるべ、栄養のバランスを考える

第2章 栄養素の基礎知識

1.2万7千人を殺した森鴎外
2.メリル・ストリーブ主演「西洋医学と栄養療法」
3. バランスの取れた栄養とは
4.栄養素の基礎知識 その1 3大栄養素
5.栄養素の基礎知識 その2 ビタミン
6.栄養素の基礎知識 その3 ミネラル
7.栄養素の基礎知識 その4 食物繊維

第3章 東洋医学と漢方薬

1.東洋医学の基礎知識
2.西洋医学と東洋医学の違い
3.漢方薬、生薬そして民間薬とは?
4.漢方薬とエキス剤そして西洋薬との違い

第4章 日本の医療の現状とヘルスメディケーション(自己治療)の普及

1.上がり続ける医療費が国を破産させます
2.病院、医院と医療現場
3.漢方などの代替え医療
4.医薬分業と薬局-セルフメディケーション
5.「街の健康コンサルタント」としての薬屋さん
6. 生命保険業界と栄養補助食品--半病人でもOK

第5章 生活習慣病とサプリメント

1.生活習慣病と危険因子-7つの健康習慣
2.歯周病も生活習慣病の1つ
3.サプリメントで栄養バランスを保つ
4.「正しい栄養補助食品」とは

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