必須脂肪酸

1-3. 日本の常識は世界の非常識

世界の多くのマーケットで毒物とされているのに、日本では大きな顔をしているマーガリン。そして、マーガリンと同種のものにショートニング*があります。

shorteningショートニングは値段が安いので、いろいろな加工食品に使われます。クッキー、クラッカー、パン、ケーキ、チョコレート、コーヒーに入れるフレッシュ、アイスクリーム、レトルトカレー、インスタントラーメンなどです。ほとんどの人は一日に一回くらいは自然に存在しない脂肪酸−トランス型脂肪酸を取り入れています。  

ある研究では、フライドポテト一人前に8グラムのトランス型脂肪酸が含まれているそうです。

20世紀はじめには人間の体内に存在しなかったトランス型脂肪酸ですが、今では、日本人の皮下脂肪中の約4%に達しているそうです。  また、缶入りの紅花油やコーン油などの植物油も、それが高温で処理されている場合、その一部はトランス型脂肪酸に変性するので、植物油自身も危険なのです。

fried_potatoマーガリンを加熱料理に使用するのは、トランス型脂肪酸を一層増加させることになり危険きわまりない行為です。  

アメリカでは1992年、ニューヨークタイムズに、「マーガリンは、飽和脂肪酸と同じようにコレステロール値を高くし、心臓病の原因になりうる」という、アメリカ農務省の見解が発表されました。  

フィンランドでの調査もあります。1200人を対照に15年間追跡調査を行った疫学研究によると、ソフトマーガリンを多量にとったグループは、とらなかったグループと比較すると、死亡率で1.4倍、心臓病で2.4倍になったのです。  

また、最近出てきたものに、不飽和脂肪酸のアンバランスの問題があります。不飽和脂肪酸は青魚や亜麻仁油に含まれるオメガ3系**と、リノール酸や紅花油など市販の植物油に多いオメガ6系***に分けられます。

本来ならば、この摂取比率は一対一が適当なのですが、揚げ物やドレッシングでリノール酸を取りすぎ、オメガ6系の比率が、オメガ3系の十倍から百倍という異常な比率になっており、アレルギーや心臓病の原因になっているのではないかといわれています。 

このように現代人の食生活は、毒物の体内への進入だけでなく、栄養素間に大きなアンバランスが起こっているのです。このアンバランスを正常に戻す食事を心がけるというのは大変なことです。また、食事だけで栄養素が十分に取れるものではありません。バランスをとり、健康な生活をするにはどうしたら良いのでしょうか。

予防医学では、例えば、たばこは吸うな、酒は飲むなと「してはいけない」ことをいろいろといっております。もちろfried_potato01んこれは守らねばいけませんが、もっと大事なことは、自分自身の「健康プログラム」を作り、積極的に参加することです。

「健康プログラム」とは、正しい食生活を心がけ、体内に毒性の食べ物を入れないようし、不足している栄養を補給し、適度の運動をすることなどを基本としたものです。

*ショートニング:食用加工あぶらの一種。もとラードの代用品としてつくられました。

**オメガ3系:必須脂肪酸の一つで、オメガ3の脂肪酸は脳の機能、免疫機能、幼児や青少年の発育にも関係していると見られています。これが不足すると、アレルギー性の皮膚疾患、耳、鼻、のどなどの慢性的感染症にかかりやすくなります。最近の研究では妊娠中のオメガ3の不足は、生まれた子供の発育に影響するとされています。青魚、亜麻仁油などに多く含まれています。

***オメガ6系:必須脂肪酸のひとつで、必要な脂肪酸なのですが、リノール酸、紅花油など市販の植物油に含まれているため、現代人は非常に多く取る機会に恵まれています。むしろ取りすぎることにより、オメガ3系とのバランスが崩れ(一対一が望ましい)問題になっていることは本文に書いた通りです。



(参考資料)

ショートニング  (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
マーガリン・ショートニングは日本以外では禁止または制限
日本マーガリン工業界ホームページ --マーガリンで豊かな生活を!
マーガリン・精製油・オメガ6系リノール酸の恐怖


1-2.マーガリンはどうして毒物なの?

マーガリンがあなたの健康を大いに損なうという話をするには、少し、化学の話をしなければなりませんが、退屈だと思われる方もおられので、話を簡単に進めます。
もう少し詳しく知りたい方は、後段の“註”をご覧下さい。  

さて、マーガリンは自然に存在する脂肪酸を原料のひとつとして作りますが、その製造の過程margarine01で、脂肪酸が、“自然に存在しない”脂肪酸に変わってしまうのです。この自然に存在しない脂肪酸のことをトランス型脂肪酸といいます。  

マーガリンはもとが植物油でも、その油の性質が自然には存在しないタイプのものに変わってしまうのです。そして、このトランス型脂肪酸が危険きわまりない脂肪酸なのです。


脂肪には、細胞膜の材料となる油に溶けやすい栄養素(ビタミンAやEなど)を吸収したり、エネルギー源や体脂肪になる働きがあります。  しかし、自然に存在しない脂肪−トランス型脂肪酸を材料につくられた細胞膜は非常にヤワにできていて、有害な物質を細胞の中に簡単に通してしまうのです。


有害な物質が細胞に入るので、結局、

・ 心臓病、アレルギー、ガンなどの病気になったり、悪化する可能性が高くなります。


fatty_acid・ 必須脂肪酸**としての働きをしないため、生体膜の材料にも体内で有用なホルモンにもならず、体外に出るときに、大量のビタミンとミネラルを消耗するだけの有害物質なのです。   

また、クローン病という、腸の壁に潰瘍(かいよう)が出来てきて、腸のくだの細胞をこわす、原因不明の病気があります。実は、この自然に存在しない脂肪酸−トランス型脂肪酸が原因ではないかと云われているのです。  

マーガリンの害が最初に指摘されたのは、旧西ドイツで、マーガリンの発売開始時期と、地域と、このクローン病患者の出現時期とが、一致したからなのです。その因果関係を疑われるれと、原因がマーガリンと決まったわけではないのですが、西ドイツでは大事をとってマーガリンを製造禁止にしてしまいました。

(註)  天然に存在する油脂は、脂肪酸とグリセリンの化合物です。

脂肪酸には2種類あります。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸です。  不飽和脂肪酸は一般に液状であり(ダイズ、ナタネ、ベニハナなどの植物に含まれます)、飽和脂肪酸は固形状です(バターなどに含まれる)。

fatty_acid02この不飽和脂肪酸に水素を加えると、炭素と水素が結合したかたちになって、固体化され、飽和脂肪酸になります。これに乳化剤と水を加えて急冷したのがマーガリンです。  

ですから、マーガリンもバターと同じ、飽和脂肪酸なのです。しかし、バターは乳脂肪を発酵して造りますので、自然食品ということが出来ますが、マーガリンは水素による化学処理を行っているので、自然食品とは呼べません。

もとは、植物油であっても、その性質はすべて失われ、自然には存在しないものに変化してしまっているのです。

このように、脂肪酸には、自然に存在するものと、自然に存在しないものの二つがあります*。

後者をトランス型脂肪酸といいます。  

*自然に存在する脂肪酸はその分子の結合が、「シス型」と呼ばれる立体構造をしているのですが、マーガリンのように、水素添加したものは、自然には存在しない「トランス型」という立体構造をしています。この「トランス型脂肪酸」が危険なのです。

**人間など、哺乳類のからだの中で作ることができず、食べ物などから取る必要がある脂肪酸。



(参考資料)

(前ページ「朝食に毒物」も参考にしてください)

脂肪酸 (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
欧州安全食品機関 (EU、040930) トランス型脂肪酸に関する見解
米国食品医薬品安全局(FDA) がトランス型脂肪酸の食品ラベル表示を決定
(マーガリンは有害なトランス型脂肪酸)

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・健康サンダルを履き続けて6年
・京都大学と共同研究
・健康サンダルの種類

(以上、漸次作成中)
健康で美しく長生きするために 目次

第1章 毒性・栄養欠乏食品と日本人

1.朝食に「毒物」を口にしていませんか?
2.マーガリンはどうして毒物なの?
3.日本の常識は世界の非常識
4.牛乳を飲んで下痢をしませんか?
5.私たちを取り巻く環境と活性酸素
6.健康の道しるべ、栄養のバランスを考える

第2章 栄養素の基礎知識

1.2万7千人を殺した森鴎外
2.メリル・ストリーブ主演「西洋医学と栄養療法」
3. バランスの取れた栄養とは
4.栄養素の基礎知識 その1 3大栄養素
5.栄養素の基礎知識 その2 ビタミン
6.栄養素の基礎知識 その3 ミネラル
7.栄養素の基礎知識 その4 食物繊維

第3章 東洋医学と漢方薬

1.東洋医学の基礎知識
2.西洋医学と東洋医学の違い
3.漢方薬、生薬そして民間薬とは?
4.漢方薬とエキス剤そして西洋薬との違い

第4章 日本の医療の現状とヘルスメディケーション(自己治療)の普及

1.上がり続ける医療費が国を破産させます
2.病院、医院と医療現場
3.漢方などの代替え医療
4.医薬分業と薬局-セルフメディケーション
5.「街の健康コンサルタント」としての薬屋さん
6. 生命保険業界と栄養補助食品--半病人でもOK

第5章 生活習慣病とサプリメント

1.生活習慣病と危険因子-7つの健康習慣
2.歯周病も生活習慣病の1つ
3.サプリメントで栄養バランスを保つ
4.「正しい栄養補助食品」とは

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