調剤薬局

4-5. 「街の健康コンサルタント」としての薬やさん

kusuriyasan ドラッグストアの普及により、いままでの調剤薬局と呼ばれる薬やさんの経営危機は、前項で触れました。しかし、この業界に新しい流れが起ころうとしています。原因は;

・ 厚生省の「病院離れ」政策、

・ 少しの病気は自分で治すセルフメディケーションの普及、

・ 病気にならないようにする「生活習慣」を、人々が身につけようとしている、

・ 高年齢化にともなう、「介護・在宅サービス」の普及

 これらをとりまとめて、薬やさんが「街の健康コンサルタント」になろうとする動きが始まっているのです。
 医薬分業による「調剤ビジネス」を中心にして、国民の病院離れを、専門の知識を生かして、病院の代わりに受け止めて行こうという発想です。「健康・栄養・介護」などをひとまとめにして相談に応じます、という行き方です。

調剤師のいるのが薬局、いないのが薬店
 ちなみに、薬剤師がいて、くすりの調剤をすることができるのが薬局で、調剤を行えない薬やさんを薬店と呼びます。

 この医者の処方箋を受けて、調剤を行える薬局が、1991年に17,000店であったのが、1995年には25,000店になっているのです(反面、薬店の数は減っています)。 2007年3 月現在、51,952と言われています。

 これは、薬局の専門性を生かした、特に「介護・在宅サービス」などを視野に入れた「街の健康コンサルタント」のサテライト基地として、その将来性を見込んだ大手ドラッグストアや大手商社の参入があるのです。

 住友商事(住友リテイルストアズ)、三井物産(アインメディカルシステムズ)などがあります。

 これらの「薬局」では、調合薬や、健康食品は勿論のこと、患者用の杖や、歩行補助器や、ベットまで扱おうとしています。また、在宅医療に必要な注射液や医薬品の宅配を行ったり、看護婦などの派遣も行っています。

 このように、街の薬やさんを含めた私たちの身近な医薬品関係のマーケットが変わろうとしています。
 ここで、「マーケット」という言葉を使いましたが、マーケットにはふたつの意味が込められています。

・ひとつは、業界のマーケット規模といったような使い方。例えば、栄養補助食品のマーケットが七千億円といった使い方です。

・もうひとつは、栄養補助食品をビジネスとして扱おうという方々から見たマーケット。
 この章では、街の調剤薬局をとりあげて、説明しました。栄養補助食品をビジネスとして扱おうという人々にとって、将来非常に大きなマーケットになる可能性があるからです。よく、その実状を知っておいて頂きたいのです。

 この意味で、もうひとつ、見落とせないマーケットがあります。生命保険業界です。

(参考資料)
■2009年の健康関連食品5分野の市場規模(出荷額ベース)は以下のように見込まれます。
・健康食品(主要健康素材61品目) :6,592億4,000万円 (前年比 95.9%)
・特別用途食品 :521億3,900万円 (前年比 95.0%)
・特定保健用食品 :4,074億円(前年比100.5%)
・栄養機能食品 :3,495億円(前年比104.2%)
・健康志向食品:2兆8,220億2,000万円(前年比102.1%)

■2006年の健康食品(サプリメントなど)の市場規模は、7,167億3,000万円(前年比96.9%)と弊社が健康食品に関する調査を開始した1991年以降では初めて前年実績を下回りました。
 そして、2007年は7,076億8,500万円(98.7%)で、2008年は6,871億4,000万円(97.1%)と3年連続で前年割れとなりました。このマイナス要因は主に、以下のとおりです。
 (1)健康食品業界に対する表示・販売規制などの法規制強化。
 (2)"マスコミ発のヒット素材・商品"が生まれなくなっている。
 (3)他の健康関連食品(特定保健用食品、栄養機能食品、特別用途食品、健康志向食品)との競合が激化。
 (4)消費者の節約志向や低価格志向が高まっている。

(調査結果は戦略企画が発刊した市場調査レポート「健康関連食品の現状と将来展望 2009年7月」による)



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4-4.  医薬分業と薬局--セルフメディケーション(自己治療)

iyaku_bungyou日本における医薬分業の実施率−院外処方箋の発行率は約30%に近く、「分業先進地帯」の九州では50%弱です。2010年までに全国で85%までに進むと予測されています。(2015年で約70%に達しており、これで頭打ちかという意見もあります)

 くすりを調合するお薬やさん、いわゆる院外処方箋のマーケットは現在1兆円といわれ、大衆薬(風邪薬や胃腸薬など薬局・薬店で自由に買えるくすり)市場の7500億円を上回っています。流通小売業にとって「調剤ビジネスを含めたくすり」は、今世紀最後の大型商品だといわれています(晴田エミ著「医薬品業界」による。かんき出版)。

 なぜ、薬品業界、特にお薬やさんのことに触れるかというと、この本では、薬局のことが今後大きな話題の一つとして取り上げられていきます。そこで、普段、私どもが接していて、実際はあまり知らないお薬やさんについて触れておきます。

 ここでいうお薬やさんは、街のドラッグストアでなく、くすりを調合する資格をもった、調剤薬局のことです。これらの薬やさんと現在おかれている状況を紹介しておこうと思います。

 いま街の盛り場を歩くといわゆるドラッグストアといわれる大衆薬と化粧品の安売りやさんが軒を並べています。「まつもときよし」などが最大手のひとつです。消費者にとっては非常にありがたい存在なのですが、わりを食ったのは、いままでの普通のお薬やさんです。安売りのチェーン店には対抗できずに苦しい経営を強いられています。

 このような調剤薬局の生き延びていく道の一つが、「街の健康コンサルタント」としての行き方です。

 少し、バックグラウンドを説明しておきましょう。

セルフメディケーション(自己治療)とは
 まず、第一が保険医療費の高騰です。ねを上げた厚生労働省は、健康保険の改正を含め、いろいろな手段をこうじて、国民の病院離れ、保険離れを進めようと考えています。そこで考え出されたのが、「セルフメディケーション(自己治療)」という、振興策です。

これは、「軽い病気は医者にかからずに、大衆薬を買って自分で治して下さい」というやりかたです。この「軽い病気−軽医療」の医療費が保健医療の四分の一を占めているといわれ、厚生労働省はこれを何とか減らしたいのです。

 いままではほんのちょっとした病気でも、病院の保険治療のくすりの方が効き目があり、保険がきくといいうので、みんな病院へ行ってくすりをもらっていました。

日本人のかなりの人たちが 「ちょっと病院へ行ってくすりをもらってくる」 という云い方をしています。本来ならば治療を受けに行くべき場所に、「くすりをもらいに行く」という習慣がしみついているのです。この習慣を、厚生労働省は変えようとして、「セルフメディケーション」なる考えを普及させようとしています。

selfmedication そのひとつが、今まで、病院でしか出していなかった、効き目の鋭いくすりも街の薬やさんで買えるようにしようすることです。その例に山之内製薬の「ガスター10」などをはじめとする胃腸薬があります。この中に含まれているH2ブロッカーという成分は「胃潰瘍を手術いらずで治す」ということで「ドクターキラー」とまで云われた世界でもベストセラーのくすりです。

 これとある意味では対極にあるのが、生活習慣病の呼び名によって、国民の生活習慣を変え、病院離れ、薬離れを押し進めるやりかたです。生活習慣病については第5章を参照していただきたいのですが、厚生労働省としては、

・いままで、病院でしか出さなかったくすりを街の薬やさんで買えるようにして、国民の病院離れを促す。

・国民の生活習慣を変えることにより、すなわち健康への関心を持ってもらうことにより、病院離れを促す。
このような政策をとっているのです。

 すこし、遠回りをしましたが、次に「街のコンサルタントとしての薬やさん」の話に入ります。
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・健康サンダルを履き続けて6年
・京都大学と共同研究
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(以上、漸次作成中)
健康で美しく長生きするために 目次

第1章 毒性・栄養欠乏食品と日本人

1.朝食に「毒物」を口にしていませんか?
2.マーガリンはどうして毒物なの?
3.日本の常識は世界の非常識
4.牛乳を飲んで下痢をしませんか?
5.私たちを取り巻く環境と活性酸素
6.健康の道しるべ、栄養のバランスを考える

第2章 栄養素の基礎知識

1.2万7千人を殺した森鴎外
2.メリル・ストリーブ主演「西洋医学と栄養療法」
3. バランスの取れた栄養とは
4.栄養素の基礎知識 その1 3大栄養素
5.栄養素の基礎知識 その2 ビタミン
6.栄養素の基礎知識 その3 ミネラル
7.栄養素の基礎知識 その4 食物繊維

第3章 東洋医学と漢方薬

1.東洋医学の基礎知識
2.西洋医学と東洋医学の違い
3.漢方薬、生薬そして民間薬とは?
4.漢方薬とエキス剤そして西洋薬との違い

第4章 日本の医療の現状とヘルスメディケーション(自己治療)の普及

1.上がり続ける医療費が国を破産させます
2.病院、医院と医療現場
3.漢方などの代替え医療
4.医薬分業と薬局-セルフメディケーション
5.「街の健康コンサルタント」としての薬屋さん
6. 生命保険業界と栄養補助食品--半病人でもOK

第5章 生活習慣病とサプリメント

1.生活習慣病と危険因子-7つの健康習慣
2.歯周病も生活習慣病の1つ
3.サプリメントで栄養バランスを保つ
4.「正しい栄養補助食品」とは

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